Tシャツプリント方法別、メリット・デメリット

Tシャツをオリジナルで作るとき、デザインやボディ選びと同じくらい重要なのが「プリント方法」です。プリントの仕上がり、コスト、耐久性などは、選ぶ方式によって大きく変わります。
今回は代表的な4つのプリント方法であり、弊社でも取り扱いのあるシルク印刷(シルクスクリーン)・ラバー転写・昇華転写・DTFプリントを比較し、それぞれのメリットとデメリットを分かりやすく解説します。
シルク印刷(シルクスクリーン)
■特徴
最もポピュラーで業務用でもよく使われる印刷方法で、版(スクリーン)を使ってインクを生地に直接刷り込む方式です。
■メリット
・大量生産に強い:1度版を作れば、何枚でも同じデザインを安定して印刷可能。単価が大きく下がる。
・発色が良い:濃いインクをしっかり乗せるので、鮮やかでハッキリとした色が出る。
・耐久性が高い:洗濯や摩擦に強く、長期間使用しても色落ちしにくい。
■デメリット
・小ロット非対応:版の作成にコストがかかるため、数枚だけの印刷は割高。
・多色印刷が手間:色ごとに版を作る必要があり、デザインに制限がある。
・細かいグラデーションに不向き:写真や複雑な陰影表現は苦手。
シルク印刷について詳しくは下記の記事をご参照ください。
ラバー転写(カッティングシート転写)
■特徴
カッティングマシンでデザインをシート状のラバーフィルムに切り出し、熱でTシャツに圧着させる方法です。
■メリット
・小ロット・1枚からでも可能:版が不要なので、注文が少なくてもコストを抑えられる。
・文字やロゴに強い:はっきりとしたラインや単色デザインに最適。
・発色が安定:シート自体の色を活かすため、デザインがそのまま再現される。
■デメリット
・通気性が悪くなる:シート部分は生地の風通しを完全に塞ぐため、蒸れやすい。
・デザインに制限あり:グラデーションや写真などの複雑な表現はできない。
・はがれやすい:洗濯を繰り返すと端が浮いてくることもある。
ラバー転写について詳しくは下記の記事をご参照ください。
昇華転写
■特徴
特殊なインクを使いデザインを一旦転写紙に印刷し、熱を加えてインクを気化させ生地に浸透させる方式です。ポリエステル素材専用になります。
■メリット
・プリント面が柔らかい:インクが生地に染み込むので、プリント面がごわつかず、通気性も損なわない。
・写真やグラデーションもOK:高精細な印刷が可能で、フルカラーデザインに向いている。
・洗濯に強い:インクが繊維内部に入り込むため、剥がれや色落ちがほとんどない。
■デメリット
・素材の制限あり:ポリエステル素材にしか使えない。綿Tシャツには不可。
・白や淡色ベース限定:濃い色のTシャツにはプリントが目立たず、基本的に白地専用。
・色がやや沈む場合も:インクが生地に染み込むため、印刷データよりも若干色味が落ち着く傾向。
DTFプリント(Direct to Film)
■特徴
比較的新しい技術で、デザインをフィルムにプリントし、接着剤をのせてから熱転写する方法です。細かいデザインも鮮明に再現可能なところが魅力です。
■メリット
・フルカラーデザイン対応:写真やグラデーション、細かい線も綺麗に印刷可能。
・生地の種類を選ばない:綿・ポリエステル・ナイロンなど、ほぼすべての素材に転写可能。
・小ロットOK:版不要で、1枚から対応可能。
■デメリット
・通気性に劣る:インクと接着層が重なるため、印刷部分がやや硬く、風通しが悪い。
・耐久性にやや難あり:高品質な印刷でも、長期の洗濯や摩擦でひび割れが起きやすいことがある。
・価格がやや高め:新技術のため、印刷コストが高い場合も。
DTFプリントについて詳しくは下記の記事をご参照ください。
素材別おすすめプリント方法
素材によって適したプリント方式は異なります。以下に代表的な生地と、それぞれに向いているプリント方法をまとめました。
素材 | おすすめプリント方法 | 理由 |
---|---|---|
綿100% | シルク印刷、ラバー転写、DTFプリント | インクが乗りやすく、各方式に対応可能。特にシルク印刷は大量生産に◎ |
ポリエステル100% | 昇華転写、DTFプリント | 昇華は特にポリエステルと相性抜群。フルカラーならDTFも選択肢に |
綿×ポリエステル混紡 | DTFプリント、ラバー転写 | 昇華は不向き。DTFなら混紡素材でもしっかり印刷できる |
ナイロン・ウィンドブレーカー素材 | DTFプリント | 接着剤付き転写なので生地を選ばず安定転写 |
ストレッチ素材 | ラバー転写(伸縮性対応タイプ) | 引っ張りに耐えるラバーシートなら対応可。DTFはやや不向き |
まとめ
Tシャツをプリントするなら、「どんなデザインを、どのくらいの枚数、どんな素材に刷るのか」を具体的にイメージすることが大事です。
たとえば以下のような使い分けが考えられます。
・チームTシャツやイベントユニフォーム(大量・単色) → シルク印刷が最適
・1枚だけ作りたいプレゼントTシャツ(小ロット・単色) → ラバー転写が向いている
・写真やアート系グラフィックを使った物販用Tシャツ → 昇華転写 or DTFプリント
・素材が特殊(ナイロン・混紡)だけどフルカラーで作りたい → DTFプリントが無難
プリント方法 | 小ロット対応 | フルカラー対応 | 耐久性 | コスト(少量) | コスト(大量) | 生地制限 |
---|---|---|---|---|---|---|
シルク印刷 | × | △ | ◎ | × | ◎ | なし |
ラバー転写 | ◎ | × | △ | ◎ | △ | なし |
昇華転写 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ポリエステル限定 |
DTFプリント | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ | ほぼなし |
プリント方式の選択次第で、Tシャツの印象も寿命も変わります。「デザイン」「素材」「枚数」「予算」それぞれに合った方法を選ぶことが、満足のいく仕上がりへの近道です。
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