Tシャツにまつわる10の意外な事実

Tシャツは、私たちの暮らしに最も身近な服のひとつです。
でも、日常に溶け込みすぎていて「どこから来たのか」「どう進化したのか」など、意外と知られていない一面がたくさんあります。
今回は、そんなTシャツの奥深い世界を覗ける、ちょっとおもしろい豆知識を10個ご紹介します。
1. 「Tシャツ」の“T”は形のことだった
「Tシャツ」の“T”は、袖を横に広げたときのシルエットがT字型に見えることから名づけられました。
とても単純な由来ですが、この「T」という記号的なネーミングが逆に覚えやすく、今や世界中で共通言語のように使われています。
ちなみに英語圏では「tee shirt」と表記されることもあり、スラングや会話の中でも非常にポピュラーな単語です。
2. Tシャツはもともと下着だった
Tシャツのルーツは、19世紀末〜20世紀初頭のアメリカ海軍にあります。水兵たちの制服の下に着る肌着として支給されたのが始まりで、その機能性の高さから労働者や農夫の間にも広まりました。
当時はあくまでインナーウェアとしての役割しかなく、Tシャツ1枚で外に出ることはマナー違反とされていました。
今のように「1枚で着こなす」スタイルが市民権を得るまでには、もう少し時間が必要でした。
3. 映画スターがTシャツを“かっこいい服”に変えた
Tシャツがファッションとして認められるようになったのは、1950年代の映画の影響が大きいです。
『欲望という名の電車』でマーロン・ブランドがTシャツ姿で登場し、当時としては衝撃的な“ワイルドでセクシーな男”像を体現しました。
さらにジェームズ・ディーンが『理由なき反抗』でTシャツにジーンズを合わせたスタイルで出演したことで、反抗的かつ自由な若者の象徴として一気に浸透。
こうしてTシャツは「下着」から「個性を表現するファッションアイテム」へと格上げされました。
4. 最初のプリントTシャツは大学ロゴだった
Tシャツにグラフィックやロゴが印刷されるようになったのは1930年代末とされ、特に注目されたのがミシガン大学のロゴ入りTシャツです。
当初は学生や関係者向けの記念品として配布されたものでしたが、次第にプロモーションやチームユニフォーム、販促ツールとして広がり、今のような「プリントTシャツ文化」が形成されていきました。
今では企業、映画、音楽、アート、政治など、あらゆる分野でTシャツが「語る」メディアとなっています。
5. 世界一高いTシャツは約4,000万円!
Tシャツ=カジュアル=安価、というイメージがありますが、世の中には桁違いの価格を誇るTシャツも存在します。
イギリスのラグジュアリーブランド「Superlative Luxury」が手がけたTシャツは、24金の糸と天然ダイヤモンドを使って装飾されており、そのお値段は約4,000万円(40万ドル)。
ここまでくると、もはや着るというより“飾る”ためのTシャツ。もしくは、富の象徴とすら言える存在です。
6. Tシャツ1枚に必要な水は約2,700リットル
Tシャツの原材料の多くは綿(コットン)です。
この綿の栽培から収穫、染色、縫製、仕上げに至るまで、約2,700リットルの水が必要とされています。これは、1人が3年間に飲む水の量に相当します。
大量生産・大量消費されているアイテムだからこそ、Tシャツはサステナブルな視点でも大きな課題となっています。
オーガニックコットンやリサイクル素材の活用など、エコなTシャツづくりが注目されているのも納得です。
コットン(綿100%)のTシャツについては下記の記事をご参照ください。
サステナブル素材のTシャツについては下記の記事をご参照ください。
7. ヴィンテージTシャツの市場が激アツ
古着のTシャツ、とくに1990〜2000年代に流通したバンドTやアニメT、企業ロゴTが、今世界中で再評価されています。
例えばNIRVANAやMETALLICAのライブTシャツ、90年代のアニメ作品(ドラゴンボールやセーラームーンなど)のオリジナルプリントは、数万円〜数十万円で取引されることもあります。
タグの年代や印刷技法、デザインの希少性までチェックするコレクターも多く、Tシャツは今やファッションと投資の中間的存在になりつつあります。
ヴィンテージTシャツについては下記の記事をご参照ください。
8. プリント方法にも種類がある
Tシャツの見た目や質感に大きく関わるのが、プリント技法です。
・シルクスクリーン印刷:最も一般的で発色が良く、耐久性にも優れています。
・インクジェット印刷:写真のような繊細な表現が可能。フルカラーに向いています。
・熱転写:コストが安く、少量・短納期のプリントに適しています。
・パフプリント・発泡プリント:立体感が出て、触って楽しめる表現が可能です。
同じデザインでも印刷方法が変わると、印象も着心地もまったく違うTシャツになります。
ラバー転写については下記の記事をご参照ください。
シルクスクリーン印刷については下記の記事をご参照ください。
9. 世界で一番売れたTシャツは「I ❤ NY」?
1977年、ニューヨーク州観光局の依頼で制作された「I ❤ NY」のロゴは、グラフィックデザイン界の巨匠ミルトン・グレイザー(Milton Glaser)による作品です。
当初は短期キャンペーン用のロゴでしたが、そのシンプルで強烈なメッセージ性から爆発的な人気を得て、Tシャツをはじめとするグッズで世界中に拡散しました。
その販売枚数は数千万枚以上と言われており、「世界で最も売れたTシャツ」の一つとして語り継がれています。
10. 「タグレスTシャツ」は快適さの進化形
首のタグがチクチクして不快、、、そんな経験がある人には、「タグレスTシャツ」が救世主かもしれません。
これは、首元のブランドやサイズ表記を直接プリントにしてしまう仕様で、2000年代に登場し、今では多くの大手メーカーが採用しています。
快適性を求める現代のニーズに応えた形で、Tシャツは進化し続けているのです。
Tシャツのタグについては下記の記事をご参照ください。
まとめ
一見シンプルで飾り気のないTシャツも、実はものすごく奥が深い。
背景を知れば知るほど、手持ちのTシャツにも価値を感じるようになります。
毎日なんとなく着ている1枚も、ちょっと見方を変えるだけで「語れる服」になる。
これからは“着る”だけじゃなく、“知って選ぶ”Tシャツ選びをしてみてはいかがでしょうか。
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