Tシャツのプリント別、乾燥機使用時の注意点

お気に入りのTシャツ。何度も着て、洗って、また着て。そんな日常の中で、意外と気を抜いてしまいがちなのが「乾燥機」です。特にプリント入りのTシャツは、乾燥機の熱や摩擦によりプリントがひび割れたり、剥がれたり、最悪の場合には縮んで着られなくなることもあります。
この記事では、Tシャツの「プリントの種類」ごとに、乾燥機を使う際の注意点と、なるべく長持ちさせるためのコツを紹介します。服を長く楽しみたい方、洗濯ミスを減らしたい方は、ぜひ参考にしてください。
プリントTシャツが乾燥機でダメージを受ける理由
乾燥機の最大のリスクは「高温」と「回転による摩擦」です。これがプリント部分に次のような影響を与えます。
・熱でプリントが柔らかくなり、剥がれやすくなる
・摩擦でひび割れや擦れが起きやすくなる
・縮みによってプリントが歪んだり、引きつったりする
つまり、どんなプリントでも「高熱+摩擦」のダブルパンチには弱いのです。ただし、プリントの種類によって耐久性はかなり違います。
プリント別 乾燥機の注意点とケア方法
■ シルクスクリーンプリント(インクプリント)
特徴
インクを版にのせ、生地の表面に直接刷る「版画のような」プリント方法です。色ごとに版を作るため、少ない色数で作るデザインに向いています。インクの種類や厚みによってマットにもグロスにもなり、プリント面に少し立体感があります。
メリット:耐久性が比較的高く、洗濯にも強い。
デメリット:ひび割れしやすく、熱と乾燥に弱い。
乾燥機のリスク
・高熱でインクがひび割れやすい
・繰り返しの乾燥で色褪せやすい
注意点
・裏返して乾燥機にかける(プリント面の摩擦を減らす)
・できれば「低温設定」または「風乾燥」にする
・完全乾燥させず、少し湿った状態で自然乾燥仕上げがベスト
■ ラバー転写プリント(カッティングシート・熱圧着タイプ)
特徴
ラバー転写プリントは、カッティングプロッターでデザインを切り出したラバーシート(ビニール素材)を、生地に熱と圧力で圧着する方式です。Tシャツやユニフォーム、ノベルティグッズによく使用されます。発色が良く、インクでは出せない均一でクッキリした見た目が特長です。
プリント部分は明確な輪郭があり、触ると“ツルッとした”手触りで、やや厚みがあります。シンプルなロゴやナンバリングに特に適しており、少ロットでも制作しやすいのが魅力。
乾燥機のリスク
・熱で接着面が剥がれる可能性が高い
・摩擦で端が浮いたり、部分的にめくれる
・高温でシート自体が縮む・波打つこともある
注意点
・高温乾燥は厳禁、熱に非常に弱いため乾燥機の使用は非推奨
・どうしても使う場合は「裏返し+洗濯ネット+低温」が必須
・シートが浮いてきたら、当て布をしてアイロンで再圧着できることもある
DIY用途でも人気があり、アイロン一つで簡単にプリントできる反面、耐久性はプロ仕様の他方式に比べてやや劣ります。乾燥機で劣化が進むのはこの方式が最も顕著といえるでしょう。
■ ラバープリント(フロッキー、厚めのラバープリント)
特徴
ゴムのような素材を使い、プリント部分に厚みと弾力を持たせる加工です。触ると明確に「盛り上がって」いて、柔らかく滑りにくい質感。高発色でスポーツウェアやストリート系のTシャツによく使われます。
バリエーション:ラメ入り、反射タイプ、ベロア風(フロッキー)などもこのカテゴリ。
弱点:熱に極端に弱く、縮む・溶ける・剥がれるリスクが高い。
乾燥機のリスク
・熱でプリントが溶けてくっつく
・ゴム素材が硬化し、ひび割れやすくなる
注意点
・基本的には乾燥機は避ける
・どうしても使う場合は、低温かつ短時間
・できれば洗濯ネットに入れて摩擦を軽減
■ インクジェットプリント(フルカラープリント)
特徴
家庭用プリンターのような機構で、Tシャツの繊維にインクを直接吹き付けて印刷する方式。グラデーションや写真のような繊細な表現が可能です。生地の風合いを損なわず、プリントが滑らかで違和感が少ないのが特長です。
注意点:プリント自体が薄いため、摩擦や洗濯に弱く、色あせしやすい。とくに乾燥機による色飛びや変色には注意。
乾燥機のリスク
・色落ち・色ムラが起きやすい
・高温で色が変色する可能性も
注意点
・裏返してから乾燥機へ
・「デリケート」または「アイロン不可衣類」モードが望ましい
・できれば自然乾燥推奨
■ 熱転写プリント(アイロンプリント含む)
特徴
デザインを専用の転写紙に印刷し、高温のプレス機やアイロンでTシャツに転写する方式。市販のTシャツやDIY用途でもよく使われています。表面はやや光沢があり、ビニールのような質感になることもあります。
タイプの違い
・普通の転写シートはビニール感が強い
・昇華転写はポリエステル生地に直接染み込むため表面の手触りは自然
弱点:接着剤を熱で圧着しているため、乾燥機の高温が天敵。
乾燥機のリスク
・高熱でプリントが剥がれる
・摩擦で端が浮いたり縮んだりする
注意点
・絶対に「高温乾燥」は避ける
・裏返し+ネット使用が基本
・剥がれ防止のため乾燥後にアイロンで軽く押さえると長持ちすることも
プリントTシャツを長持ちさせるコツ(乾燥機を使う時)
乾燥機は便利ですが、ちょっとした工夫でTシャツの寿命を大きく伸ばすことができます。
・毎回乾燥機に入れない:ときどき自然乾燥を取り入れるだけで劣化のスピードが大きく変わります。
・乾燥時間を短くする:完全に乾かすよりも、仕上げ前で止めて自然乾燥でフィニッシュすると◎。
・乾燥機に入れる前に裏返す:プリント面を守るために非常に重要なひと手間。
・柔軟剤を控えめに:柔軟剤がプリントの劣化を早めることもあるので注意。
まとめ
プリントTシャツは、ちょっとしたケアで何倍も長く楽しめます。乾燥機を使う際は、プリントの種類に合った扱いを心がけることが大切です。
プリント種類 | 乾燥機の温度 | 摩擦対策 | 推奨度 |
---|---|---|---|
シルクスクリーン | 低温または中温 | 裏返し | △ |
ラバープリント | 低温のみ | ネット+裏返し | ×〜△ |
インクジェット | デリケートモード | 裏返し必須 | △ |
熱転写 | 低温厳守 | ネット+裏返し | × |
ラバー転写プリント | 乾燥機非推奨 | ネット+裏返し | × |
便利さと引き換えに起こるダメージ。だけど、注意点さえ押さえれば、乾燥機は決して悪者ではありません。服を大切にする心があれば、今日からでも違いが出てきます。Tシャツとの付き合い方、ぜひ見直してみてください。
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