知っておきたい“綿”のランク

Tシャツを選ぶとき、「コットン100%」という表示を見て安心していませんか?
もちろん悪いことではありません。でも実は、その「コットン」にもグレードや種類があるのをご存じでしょうか。綿=全部同じではない。むしろ差は大きく、同じ「コットンTシャツ」でも、価格も肌ざわりも着心地もまったく違います。それは、“どんな綿”を使っているかで大きく変わってくるからです。
今回は、Tシャツによく使われるコットンのランクや種類について、違いがわかるよう丁寧に解説していきます。
コットンにも“格”がある
コットンとは、綿花(めんか)からとれる天然繊維です。
世界中で広く栽培されており、Tシャツや下着、タオルなど、肌に触れるものに多く使われています。
ですが、どこで、どんなふうに育てられたかによって、品質や特性には明確な違いがあります。
ポイントになるのが以下の3つです。
・繊維の長さ(=繊維長)
・繊維の細さと強さ
・生産方法と環境基準
それぞれが、肌ざわり・光沢・耐久性に直結します。
ハイクラスなコットンたち:長繊維&超長繊維
コットンの“ランク”を語るうえで重要なのが、「繊維の長さ」です。
長ければ長いほど、なめらかで光沢があり、強度も高くなります。
代表的な高級コットンをいくつか紹介します。
▶ スーピマ綿(Supima Cotton)
アメリカで栽培されている高品質な「超長繊維綿」です。
繊維が非常に細く長いため、肌ざわりがシルクのように滑らか。
洗濯を繰り返しても毛羽立ちが少なく、耐久性も抜群です。
特徴
・光沢感があり、高級Tシャツやシャツによく使用
・しなやかで吸湿性が高い
・米国産。品質基準が厳しく、ブランド価値がある
▶ ギザ綿(Giza Cotton)
エジプトで生まれた超長繊維綿。
ナイル川流域の肥沃な土地で育つため、他にはないしっとりとした風合いが特徴です。
特徴
・なめらかな肌ざわり+独特の柔らかさ
・シルキーな光沢があり、ラグジュアリー感が強い
・ブランドシャツや上質なTシャツで使われることが多い
▶ ピマ綿(Pima Cotton)
スーピマの元祖ともいえる品種で、南米やアメリカで生産されています。
耐久性が高く、日常使いのTシャツに向いた高品質素材です。
特徴
・毛羽立ちにくく、長持ちする
・スーピマよりややリーズナブル
・シンプルな無地Tでも質の良さが伝わる
一般的なコットンとの違いは?
通常の「コットン100%」Tシャツには、中短繊維の綿が使われていることがほとんどです。
これは、肌ざわりや耐久性において、高級コットンと比べてやや劣ります。
特に差が出るのがこの3点です。
肌ざわり:短繊維はザラっとしやすく、洗濯でごわつきやすい
耐久性:繊維が短いため、毛羽立ち・破れが早めに起こる
光沢感:高級綿は自然なツヤがあるが、通常綿はマットな印象
ただし、価格帯が安く抑えられるため、「枚数が欲しい」「汚れても気にしない」という用途には向いています。
オーガニックコットン=高級?
よく混同されがちなのが「オーガニックコットン」です。これは“栽培方法”の話であって、“繊維のランク”とは別軸です。
オーガニックコットンとは、化学肥料や農薬を使わず、環境に配慮して育てられた綿のことで、そのため肌にやさしいイメージがありますが繊維の長さや質はピンキリです。
高級なオーガニック超長綿もありますが、短繊維のオーガニック綿も普通に存在します。つまり、「オーガニック=高品質」とは限らないということです。
オーガニックコットンについては下記の記事をご参照ください。
結局、どれを選べばいい?
Tシャツ選びで重要なのは、自分がどこに価値を置くかです。
✔ 肌ざわり・長く着られる質感が欲しい
→ スーピマ、ギザ、ピマなどの超長繊維コットン
✔ 毎日気軽に着たい/コスパ重視
→ 一般的な中短繊維コットンで十分
✔ 環境意識が高い・肌が敏感
→ オーガニックコットンのTシャツを選ぶ
「綿の違い」がわかるとTシャツの見方が変わる
「コットン100%」と一括りにされがちですが、実際にはその中で大きな差があります。ふだん何気なく着ているTシャツも、使っている綿を知るだけで愛着がぐっと増すはずです。
ちょっとだけ素材にこだわってみるだけで、着心地も、見た目も、長く愛せる度合いも変わります。服のタグを見て「これはスーピマか、さすがだな」と思えたら、あなたはもうTシャツ通です。
次にTシャツを手に取るとき、「綿にもランクがある」ということ、ぜひ思い出してみてください。
綿100%(コットン)Tシャツの魅力については下記の記事をご参照ください。
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