TシャツのDTFプリントとは?

TシャツのDTFプリントとは?

オリジナルTシャツを作る技術は年々進化しています。
そんな中、いま注目を集めているのが「DTFプリント」という最新のプリント方式。フルカラー、細かいデザイン、小ロット対応など、現代のニーズに合った非常に柔軟な技術です。この記事では、DTFプリントの仕組みからメリット・デメリット、他のプリント方式との違いまで、初心者にもわかりやすく解説します。

DTFプリントとは?

DTFプリントとは「Direct To Film(ダイレクト・トゥ・フィルム)」の略称です。名前の通り、専用フィルムにデザインをプリントし、それをTシャツなどに熱転写する方法です。

従来の「DTG(ダイレクト・トゥ・ガーメント)」や「シルクスクリーン」とは異なり、布地に直接プリントするのではなく、一度フィルムを介するというのが最大の特徴です。この技術は主にTシャツ業界やオリジナルグッズ制作の現場で、急速に広まりつつあります。

DTFプリントの流れ

DTFプリントの基本的な流れは次の通りです。

1、フィルムにデザインをプリント
 まず、専用のPETフィルムにデザインをインクジェットプリンターでプリントします。インクはCMYKに加えて「白インク」も使用するため、どんな色のTシャツにも対応可能です。

2、ホットメルトパウダーの塗布
 プリント直後のインクが乾かないうちに、特殊な接着剤パウダー(ホットメルト)をフィルムにまぶします

3、熱処理でパウダーを定着
 ヒーターで一定時間加熱し、インクとパウダーをしっかり固着させます。

4、Tシャツに転写してプレス
 完成したフィルムをTシャツに乗せ、熱プレス機で転写します。プレス温度や時間は素材によって調整が必要です。

5、フィルムを剥がして完成
 冷めたあとにフィルムを丁寧に剥がせば、デザインがTシャツに綺麗に転写されています。

 

DTFプリントが選ばれる理由

メリット

発色が非常に良い

DTFは白インクを下地に使うため、どんな色のTシャツにもデザイン通りのカラーが乗ります。黒Tシャツでも赤や黄色、パステル系などの色が沈まず、鮮やかに映えるのは大きな強み。写真やイラストの再現性も非常に高く、視覚的インパクトが必要なデザインに最適です。

細かいデザインもきれいに出る

髪の毛のような極細線、微妙なグラデーション、複雑な模様なども精密に表現できます。Tシャツプリントにありがちな“つぶれ”や“にじみ”が起きにくく、アーティストやイラストレーターとの相性も抜群です。

小ロット・1枚からでも対応可能

版を作る必要がないので、1枚だけの制作でも高コストになりにくいのが魅力。たとえば、個人の推し活グッズ、記念日Tシャツ、数量限定アイテムなど、ニッチなニーズにも柔軟に応えられます。サンプル制作にも向いています。

多様な素材に対応

コットンだけでなく、ポリエステル、ナイロン、スパンデックスなど幅広い素材に使えるため、Tシャツ以外にもパーカー、エコバッグ、ユニフォームなど多様なグッズ展開が可能です。

洗濯にも強い

転写されたデザインはしっかりと生地に圧着されているため、通常の洗濯で色落ちやひび割れが起きにくいです。正しく加工すれば10回以上の洗濯でもクオリティを保ちやすく、実用性も高いプリント方式です。

デメリット・注意点

プリント部分に若干の「硬さ」がある

DTFプリントはフィルム転写の特性上、デザイン部分に厚みと硬さが生まれます。特に大判プリントの場合、通気性が落ちたり、着用時の肌触りに違和感を感じる人もいるかもしれません。やわらかさ重視の人には気になるポイントです。

機材・材料コストが高め

DTFを行うには専用のプリンター、インク、フィルム、パウダー、ヒーター、プレス機など一式が必要で、初期投資は大きめ。個人でフルセットをそろえるのは難しく、導入にはある程度の資本やスペースが求められます。

品質の安定には技術が必要

インクの乗り、パウダーの量、加熱時間、圧着温度など、各工程で微調整が必要です。少しのズレで転写ミスが起きたり、耐久性が落ちたりするため、安定した品質を出すには慣れやノウハウが不可欠です。

廃棄や環境面の配慮が必要

DTFではフィルムやパウダーなどの廃材が出るため、エコの観点では完全にクリーンとは言えません。環境負荷を気にするユーザーに向けては、製品の選び方や使い方に配慮した説明が求められる場面もあるでしょう。

他のプリント方法との違い

DTFプリントを他の代表的な方式と比較すると、以下のような特徴があります。

プリント方式 特徴 向いている用途
シルクスクリーン 大量生産向き。コスパ◎だが版が必要。 チームT、イベントT、大量印刷
DTG(インクジェット) 生地に直接プリント。柔らかい仕上がり。 写真やアートデザイン
DTFプリント フルカラー・細部再現・小ロット対応。 オリジナル商品、EC販売、小ロット製作

DTFプリントは、デザインの自由度、素材の対応力、小ロット生産、仕上がりの美しさ、どれを取っても非常にバランスが良い“万能選手”です。特に、オリジナルTシャツを少数作りたい個人クリエイターや、小規模ブランドの立ち上げを考えている人にとっては、これ以上ない選択肢かもしれません。

「デザインの再現性」「低コスト」「高耐久」の三拍子がそろったDTFプリント。Tシャツの新たな可能性を広げてくれるこの技術を、あなたのプロジェクトにも取り入れてみてはいかがでしょうか?

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