Tシャツの脇に縫い目がある理由とは?
Tシャツを裏返してみると、脇の部分に縦方向の縫い目が入っているものがあります。
一方で、脇を見ても縫い目がまったくないTシャツもあります。
「同じTシャツなのに、なぜ作り方が違うの?」「脇に縫い目がある方が丈夫なの?」と思ったことはないでしょうか。
実はこの違いは、Tシャツの製造方法と大きく関係しています。今回は、Tシャツの脇に縫い目がある理由と、縫い目がない「丸胴」と呼ばれるTシャツとの違いについてご紹介します。
Tシャツの脇の縫い目は何のため?
一般的なTシャツの脇にある縫い目は、前身頃と後ろ身頃の生地を縫い合わせた部分です。
Tシャツを作る際、前側と後ろ側の生地をそれぞれ裁断し、それらを脇部分で縫い合わせる製造方法があります。
大まかな流れは、
①生地から前身頃を裁断する
②後ろ身頃を裁断する
③肩部分などを縫製する
④袖を取り付ける
⑤左右の脇を縫い合わせる
という形です。
このように複数のパーツを組み合わせて作るため、完成したTシャツの左右に縫い目ができます。
このタイプは一般的に「横割り」などと呼ばれます。
脇に縫い目を作るメリットは?
「わざわざ前と後ろを分けず、一枚の生地で作ればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、脇を縫い合わせる作り方にはメリットがあります。
特に大きいのが、Tシャツのシルエットを調整しやすいことです。
前身頃と後ろ身頃をそれぞれ裁断できるため、デザインに合わせて生地の形を変えられます。
例えば、
・ウエスト部分を細くする
・裾に向かって広げる
・前後で形を変える
・身体に沿ったシルエットにする
・サイズごとに細かく形を調整する
といった設計がしやすくなります。
特にファッション性を重視したTシャツでは、単純な筒状ではなく、身体のラインやデザインに合わせて形を調整することがあります。

脇に縫い目がないTシャツもある
Tシャツの中には、左右の脇に縫い目がないものもあります。
代表的なのが「丸胴(まるどう)」と呼ばれる仕様です。
丸胴は、生地を最初から筒状に編んで作ります。
筒状になった生地をTシャツの胴体部分として使用するため、前身頃と後ろ身頃を脇で縫い合わせる必要がありません。
そのため、左右の脇を触っても縫い目がない、すっきりした作りになります。
無地Tシャツやプリント用Tシャツなどでも、この丸胴仕様の商品を見ることがあります。
丸胴Tシャツのメリット
丸胴のメリットとしてよく挙げられるのが、脇部分の縫い目が肌に当たりにくいことです。
通常の横割りTシャツの場合、脇には縫い代があります。着用する人によっては、この部分が肌に触れるのが気になることがあります。
丸胴には脇の縫い目そのものがないため、比較的すっきりした着心地になります。
また、
・脇の縫い代がない
・見た目がシンプル
・肌への当たりが少ない
・昔ながらのTシャツらしい雰囲気がある
といった特徴があります。
アメリカンカジュアル系のTシャツなどでは、丸胴仕様が商品の特徴として紹介されていることもあります。

横割りTシャツにもメリットがある
「それなら縫い目のない丸胴の方が優れているのでは?」と思うかもしれませんが、一概にそうとはいえません。
横割りには、先ほど説明したようにシルエットを調整しやすいという大きなメリットがあります。
例えば細身のTシャツなら、ウエスト付近を少し絞った形にできます。
レディースTシャツなどで身体のラインに合わせたシルエットにしたい場合にも、前後の生地を裁断して縫い合わせる方法が適しています。
つまり、
着心地やシンプルな構造を重視するなら丸胴、シルエットの自由度を重視するなら横割り
というように、それぞれに特徴があります。
脇の縫い目があると安物なの?
脇に縫い目があるからといって、品質が低いTシャツというわけではありません。
ここは誤解しやすいポイントです。
高価格帯のTシャツでも横割りの商品はありますし、低価格のTシャツでも丸胴の商品はあります。
Tシャツの品質は、脇の縫い目だけでは判断できません。
生地の種類や厚さ、縫製方法、首まわりの作り、糸、生地の加工など、さまざまな要素によって変わります。
そのため、「丸胴だから高品質」「横割りだから低品質」と単純に判断しない方がよいでしょう。

Tシャツを選ぶときに脇もチェックしてみよう
普段Tシャツを購入するときに、脇の縫い目まで確認する方はそれほど多くないかもしれません。
しかし、作り方を知ってから見てみると、Tシャツによって違いがあることに気付けます。
脇に縫い目があれば横割り、縫い目がなければ丸胴で作られている可能性があります。
もちろん、どちらが良いかは用途や好みによって変わります。
着心地を重視するのか、シルエットを重視するのか、プリントを入れるのかなど、自分の用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
まとめ
Tシャツの脇に縫い目があるのは、前身頃と後ろ身頃に分けて裁断した生地を、脇部分で縫い合わせて作っているためです。
このような作り方は「横割り」と呼ばれ、身体のラインに合わせてシルエットを調整しやすいというメリットがあります。
一方、筒状に編んだ生地を使用する「丸胴」のTシャツには、脇の縫い目がありません。
それぞれの特徴をまとめると、
・横割り:脇に縫い目があり、シルエットを調整しやすい
・丸胴:脇に縫い目がなく、肌への当たりが少ない
・縫い目の有無だけでTシャツの品質は決まらない
・オリジナルプリントでは、脇をまたぐデザインの場合に縫い目へ注意する
となります。
何気なく着ているTシャツも、脇を確認すると製造方法の違いが見えてきます。次にTシャツを手に取ったときには、ぜひ脇の縫い目にも注目してみてください。
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